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Oct 26 2007

東トルキスタン亡命政府の分裂

Published by mitoyoi at 4:31 am under Uncategorized Edit This

 私のブログの読者に、殿岡事務所発行の「中国民族問題研究」の読者の方がどれぐらいいらっしゃるでしょうか。殿岡事務所はずっと東トルキスタン亡命政府日本名誉領事館を名乗ってきましたが、昨年の秋ごろからはほとんど亡命政府とは関わっていなかったはずです。

 今回の「中国民族問題研究」10号で、ようやく日本名誉領事館を返上するということが掲載されましたので、私も堂々とここに書くことができます。

 2ちゃんねるの方がやっていらっしゃる「東トルキスタンを救おう」のページにも、殿岡事務所の活動のことがかなり出ているようですが、実際には亡命政府とは関係ありません。ただ、日本のウイグル人留学生の方々や亡命政府以外の海外のウイグル人の方とは連携しているようではありますが、ここら辺をしっかり把握しないと、いろいろ見誤ることになると思います。

 この「中国民族問題研究」には、昨年「ウイグル太郎に政治利用された」という殿岡先生の文章が載りました。昨年、トルコのヤルタでトルコ民族文化祭が行なわれ、中央アジアなどのトルコ系民族に混じって東トルキスタン亡命政府も招待され、日本名誉領事も参加しました。このとき実はトルコ側からあらかじめ、「東トルキスタン国旗をあげるな」というお達しがあったというのです。しかし、ウイグル太郎氏はそれを知っていながら、殿岡先生に伝えず、国旗を掲げるために先生たちを利用したと先生は書いておられます。

 私はそれを読んで、これは大変だと思って、ウイグル太郎氏に「あんた、なんてことしたのよ」とメールしました。しかし、太郎氏は、それは先生の誤解だと返事されました。太郎氏も国旗をあげてはいけないとは知らなかったというのです。このころの亡命政府の首脳はトルコ在住のアフメット氏やアブドウェリ・ジャン氏などで、この人たちのほうがウイグル太郎氏よりも偉く、直接トルコ政府関係者と連絡していたようですが、彼らは太郎氏にきちんと下達していなかったようなのです。

 なけなしの生活費で立て替えて、この旗を注文したと太郎氏はおっしゃっていました。お金もないのにあげられない旗をそんなに作ると思いますかと太郎氏。

 私はこのままだと、日本の読者が全員あなたが先生を政治利用したと思いこむことになるから、先生に講義して、訂正記事も載せてもらうほうがいいといいましたが、彼が先生にそう伝えても、先生が訂正することはありませんでした。ただ、私自身現場にいなかったので、ウイグル太郎氏の態度に誤解を招くようなものがあった可能性もあります(ウイグル人と日本人ではちょっとした態度や行動も全然違うし)。が、とにかく双方の言い分が出ないと不公平だという考え方から、ここに以上のことを書きました。

 実際このごたごたは、このトルコ民族の文化祭のために、トルコを訪れたエニウェル氏の入国を、中国が阻止したところからはじまったのでした。中国がやったことが1ぐらいとすると、その効果は10にもなったでしょう。エニウェル氏があそこでトルコ入国していれば、今の亡命政府のあり方もずいぶん変わったと思います。

 エニウェル氏がトルコに入れなかったためか、それ以外の理由もあったかもしれませんが、残りの主要メンバーがエニウェル氏を追い出そうとしたのです。それに対してエニウェル氏と何人かのメンバーは自分を追放しようとしたメンバーを追放したわけです。それでどっちも亡命政府を名乗るという事態になってしまいました。ただ、私はこれについてはエニウェル派のいい分しかきいておりません。それはご了承ください。

 ただ、エニウェル氏以外のメンバーとは、トルコやオーストラリア在住のウイグル人です。しかし、亡命政府がオーストラリアにあっても意味がないので、私はワシントンを亡命政府と考えることにしました(日本のマスコミはワシントンにあるから少しは興味を持ってくれたのであって、オーストラリアじゃ相手にされっこない)。やはりワシントンのキャピタルヒルで行なわれた亡命政府の成立式典や、憲法発布などは、すべてエニウェル氏なしにはできなかったことですから。

 ただ、この内紛の場にいた殿岡先生はウイグル人にうんざりしてしまったようです。実際昨年の9月ごろから、ウイグル太郎氏の文章はこの民族問題研究に一切出ていません。先生の「政治利用された」という文章は、事実上のウイグル太郎おろしでした。太郎氏が、日本に東トルキスタン問題を広めるためにした貢献を考えると、これはまことに残念です。

 私も彼の書いたことすべてをうのみにしているわけではありません。しかし、日本にある資料や日本に提供される情報が中国よりなのもまた事実。というか、ウイグル側からの情報は皆無に等しかったのです。あの『東トルキスタン共和国研究』だって、漢族が書いたものなのですから。同じようなことをしようとしたウイグル人のトフティさんは逮捕されてしまいましたし。
 私たちの得る情報や、それによった価値観や発想がいかに中国よりに凝り固まっていたかを、私は太郎氏に教えてもらったのです。これは東トルキスタン問題だけにいえることではありません。

 ウイグル人が達者な日本語で民族の心の叫びを書いたのです。これはほかのだれにもまねできることではありませんし、決して軽視するべきではないと思います。

 ただ、現在のワシントンの状況もまた困った状態で。実は、このエントリ
(お時間があるなら、この中にリンクされている「故郷を人質に取られたウイグル人」も読んでくださいね)で書いたのですが、昨年、故郷に帰ったウイグル人とはエニウェル氏だったのです。中国はエニウェル氏のトルコへの入国は全力で阻止したのに、自国への里帰りのビザは出したんですよ!

 エニウェル氏の父親が亡くなったので、お葬式をするために、里帰りしてしまったのです。そのために、亡命政府のメンバーや議員は中国に行ってはいけないという憲法の条文まで変えて。それで海外のウイグル人社会では、エニウェル批判が吹き荒れたようなのです。

 エニウェル氏にインタビューしたことがありますが、彼は結局自分の父親が強制労働で牛馬のように働かされ、人間扱いされなかったのを目の当たりにして、中国共産党への憎悪を強めた人間です。ですから、現在の彼の行動の原点は父親への尊敬と愛情なのです。それを知っているので、私は彼のこの行動を一方的には批判できません。

 でも実際は帰りたくても帰れないウイグル人がほとんど。子どもだけが中国にいて、何年も離ればなれなどというケースも珍しくないのです。もちろん、自分の親と会えない人も多いです。それなのに、自分だけ帰ってしまっては、裏切りとみなされても仕方ありません。中国政府はエニウェル氏の入国を許しただけで、彼をウイグル人社会から孤立させるのに成功しました。

 彼を擁護していると、自分の立場も悪くなってしまうということで、ウイグル太郎氏はエニウェル氏と距離を置いていますし、そのせいかどうかはわかりませんが、政府のページからウイグル太郎氏の日本語ページは消えてしまっています。
http://www.eastturkistangovernmentinexile.us/

 私が日本人のみなさまに申し上げたいのは、現在のウイグル人社会がまとまることがいかに難しいかということです。やはり国を持っている相手のほうが何かと有利で、分離工作も易々とできます。それに難民状態になったり、ほかの国の国籍をもらったりすると、自分がお世話になっている国に配慮せざるをえなくなります。アメリカにいれば、東トルキスタンをイスラム国家にしようとはいいにくくなります。ドイツにいたら、トルコにいたら、それはいろいろあるでしょう。

 クルド人なんて、クルド人どうしでイランとイラクの代理戦争をやっていたこともあるぐらいですから。国がないとはそういうことなのです。だから、愛国心を持たないと大変なことになりますし、日本でももっと愛国教育をしたほうがいいのです。国がないとどれほど大変なことになるが、それを知ればだれもがもっと国を大切にするようになるでしょう。

 私はウイグル太郎氏がしてきたことを評価というのはおこがましいですが、重視していますので、しばらくは太郎氏支持で行こうと思います。ウイグル太郎氏に支援したい、まだまだ彼の新しい文章を読みたいという方は、東トルキスタンネットに援助すればいいかと。

 もちろん、ワシントンに亡命政府があるのがいい!とお思いなら、ワシントンを支持されたらどうでしょう。でも、今のワシントンに寄付するには、どこに送金したらいいかは私にはわかりません。

 殿岡先生の活動を支持されるというならそれでもいいのです。先生のやっておられることも、だれにでもまねできることではありません。

 ただ、これらの組織と個人がまとまることはもうないでしょう。
 こんな有様なので、私も今年はとてもノンフィクション大賞には応募できませんでした。現状では亡命政府や海外組織というネタ自体にノンフィクションとしての価値がないです。もう世界ウイグル会議や、ワシントンの亡命政府のことを取材するのもやめようと思っています。

 ただ、世界中から誤解されている人、中国共産党に反論しようとしているだけなのにテロリスト扱いされている人、本当に困っている人のことは支持したいし、助けたいと思います。ただ、これも書けば書くほど相手に迷惑をかけるし、私も苦しいです。
# by akiko_os | 2006-05-17 12:46 | 悲しいこと桜の美しさを見ると、余計に悲しくなります

 詳細は書けませんが、また悲しいことがありました。はっきりいって奈落の底に突き落とされました。一応最悪の事態は回避しましたが。

 ウイグル人は困っています。さんざんいろいろなことを書きましたけれど、私が生半可な気持ちでウイグル人を支持していると思われたくなかったし、なぜウイグル人がまとまらないか説明したかったからでもあります。それに東トルキスタンを支持しようとする方にはあらかじめウイグル人の性格を知っておいてほしいのです。結局「なんだ、ウイグルってこんな連中だったのか」と中途半端に去っていかれると、かえってウイグル人をひどく傷つけてしまいます。

 でも、今回ばかりはというか、今までこの問題を取材してきて、これほど苦しかったことはありません。
 
 もちろん国内でも、国外でも、妥協しているウイグル人は安泰かもしれません。でも国のために正義を貫こうとした方はリスクにさらされています。あの、日本の国を売るまいとして、自殺に追い込まれた日本の上海総領事館員の方のように。

 あの方だって、開き直ったり、中国の要求に屈したりしていれば、命まで失うことはなかったのですよ。でも、正義を貫いた結果、あのような選択をするしかなかったのです。

 中国に逆らうということはそういうことなのですね。
 でも、もっと国とか、組織とか力を持っている人にやるべきことをやってほしいですよ。日本では外務省のような組織さえ、中国に対しては事なかれ主義を貫く。自分のスタッフを殺されてもその態度は変わりません。

 でも、それではいけないのです。今のまま中国を放置しておけば、犠牲者は増えるでしょう。
 中国が持っているのは格安労働力と幻の巨大市場だけです。でも、それは中国以外にもあるものではありませんか?

 そして現在進行形の軍事力。でもこれだって中国にお金がいかないようにして、発展させないようにすればいいだけじゃありませんか。日本だって法律さえ変えれば、中国以上の軍事力が今よりスムーズに使えるようになるのじゃありませんか。中国は自分以上の力を持つ国には決して無理をしません。アメリカに対する態度を見ていればそれは明白です。

 まあ中国はものすごくしつこいですけどね。それは日本人だけでなく、世界中のどの国もうんざりしていると思います。国連も。でもそれに屈してはならないのです。しかるべき力を持っている人に、もっと動いてほしいです。中国を恐れずに行動してほしいです。
# by akiko_os | 2006-04-01 00:09 | 悲しいこと

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